Founder  CEO & Bartender

Junya Hirohata

はきもの”から“シューズ”に

2015年、福山市松永町の日本はきもの博物館が閉館。今の商売の基盤ともなる経験を積んだ場所「コーヒーハウスSABOT」、「BAR THE SABOT」もそれと同時に閉店した。世の中のこと、商売のイロハ、すべてを学んだ場所がなくなり、どこか胸に穴が開いたようだった。

その1年後、「広島県府中市のシューズメーカーのショールームにカフェをオープンしないか」という誘いを受けた。“はきものとコーヒー”で始まった商売人生が、“シューズとコーヒー”に。このチャンスをふいにする選択肢なんて、頭をかすめもしなかった。そして個人名義でVulcaCafeをオープン。遂にオーナーとしての新たな挑戦が始まった。

 

誰もやってないことを

 カフェのコーヒーが美味しいことは当たり前。それ以上に店の雰囲気やそこで過ごす時間を求めてお客は来る。その信条から、地方の街には似合わないほどの洒落た店内を創り上げて、スタートを切ったVulcaCafe。最初はその見た目から「気後れする」という声もあったが、街のイベントにも積極的に参加し、今では若者から高齢者まで各々の時間を過ごしにやってくるまでになった。

次に取り組んだのは「スイーツ作り」。府中市の定番土産になるような商品を作ろうと、地元の味噌屋と共同して甘酒を使ったプリン「恋のはじまり」を開発。街の商業組合のコンペティションでも選ばれたことで、知名度も高まり、大手スーパーなどでも取扱いの声がかかるほどに成長した。

個人事業として始め、カフェ事業、スイーツ事業とだんだんと手広くなっていく中で、はっきりしてきた自分の使命。それが「ライフスタイルの提案」。ただコーヒーを出す、スイーツを売るだけではなく、その人の人生を豊かにすることを使命と感じ、法人化を見据え始めた。

 

キーパーソンとの出会い

開業して3年目、島田達彦と出会い、化学反応が起こる。

世界を股にかけ、数々の大企業や大物アーティストのアート・クリエイティブディレクションを手掛け、クリエイションの最前線を見てきた人物だ。

この頃、地方から東京の市場に打って出る方法を模索していたため、「この人となら実現できる」と確信。長い間、目標にしていたベルギーワッフル「The Waffle」のブランド化を共に進めていくことになった。

島田の見事なディレクションもあり、「The Waffle」は大手百貨店のオンラインショップで取り扱われるようになり、さらには全国版の雑誌でも取り上げられるように。地方からでも東京の市場で勝負できることをまさに体現した。

 

クリエイティブにこだわる

 島田との出会いは「クリエイティブ」を考える機会でもあった。飲食、製菓など1つ1つの事業は、あくまで「ライフスタイルの提案」をするための手法でしかない。これを念頭に置いた時、これまで以上に、クリエイティブで創造的なことに挑戦していく必要があった。

その想いを島田と共有するうちに共に事業を描くことになり、2019年、合同会社SABOTとして新たな形での出発を果たす。

そして現在、SABOTは常に進化を続け、これまでのカフェ事業、スイーツ事業を含めた4つの事業を軸に「ライフスタイルの提案」を目指している。それでも自分の頭の中にはまだまだたくさんの構想がひしめいている。

いつでも願うのは「自分たちができることで、誰かのために」。商売の基本中の基本は忘れず、これからも新たなモノを生み出し続けていこう。